狂牛病は人間がつくり出したもの
4つの胃袋をもつ牛は草を噛み、第一、第二の胃に住み着いている細菌(1mlあたり10億匹いる)や原生動物(1mlあたり100万匹以上いる)に、草を餌として与え、胃の中で増殖した細菌や原生動物を第四の胃で溶かして、自分の栄養源としている。
分解された草の残骸と一緒に→これは地球に牛が出現して以来、身に付けている本来の食生活の姿。
しかし今、牛は死んだ又は殺した羊の肉骨粉や、とうもろこし等の「配合飼料」を与えられている。
人間でいえば、口も胃も無視して、直接腸に栄養源を流し込ませたり「点滴」したりするのと同じ。
「末期医療」「延命治療」を育ち盛りの時期から受け続けたら、生命本来のもつ機能が失われ、自然治癒力が損なわれるのは当然だと思う。
牛はもはや家畜でもなく、ましてや【生命あるもの】としてではなく、工業化された食品材料として扱われている。
狂牛病の疑いがあるとして多くの牛を生きたまま殺し、焼却し「人間の安全が保たれた」としているのは辛いこと。
30億年以上の永い年月を重ね自然のつくりあげた多様な生命のめぐりを無視し、目先の視界で大量に安く早く、簡便に食糧を増産するという現代文明のつくり出した方法は、今、私たちに跳ね返ってきている。
安易・便利な「サプリメント」や「ドリンク剤」「清涼飲料」の横行。抗生物質づけのにわとりや養殖魚。農薬、除草剤づけの野菜。
防腐剤や着色料入りの食品は、梅干にまで及ぶし、発酵過程のないバター、天日に干されてない乾物など、力の無い、美味しくない食材にあふれている。
農家は自家用のものと売るものを替えてつくり、メーカーは添加物表示などをたくみにすりぬける。
「アトピー」「ガン」「引きこもり」や「登校拒否」「多言語症候群」等の増加は偏った「儲ける為の食材」「売るための食材」作りへの警鐘に違いない。
*参考文献
岩波新書 http://www.iwanami.co.jp/shoseki/shinsho.html
栗原康著
「共生の生態学」